初孫なので、どっか~んと5段飾りの鎧甲を贈りたかったのだが、娘に「家が狭いので、頼むからケース入りにしてほしい」と言われ、しぶしぶ承諾した。
京都の老舗人形屋さんに電話で問い合わせるも、「完売しているものも多数ある」と言われ、点在している人形屋さんを回っていたのでは、一日で買い物が終わらない心配が出てきたので、13日(日)に人形のまち大阪の松屋町筋に出かけた。
大阪の松屋町となれば、本気で値切らなくてはならない。
大阪で値切らない=大阪人の恥(大阪出身なので)
松屋町に着いて、最初に入ったのが人形のモリシゲ本店。接客についてくれたのは、私と同年代のおっちゃん。
「京人形の店を素通りして、松屋町に来ましてん!」と、第一声少し恩を売る。
「おおきに。今日はどんなんお探しで?」
「ケース入りの五月人形を見せてください」
「ほな、こんなんどうです?」と、向こうの長いセールストークが始まる。
この時、途中で口をはさんではいけない。おっちゃんにしゃべりたいだけしゃべってもらう。
おっちゃんの話が一段落したところで、「ほんで、なんぼになるん?」と、ここで初めて「私は値切る客ですよ」をアピールする。
おっちゃんは電卓たたいて「こんなもんでどうです?」と言う。
「ご冗談を」と軽くいなす。
「ほな、こんなんで」
「まだ、ひけるな」
「ええ~、まだでっか?」
「私、学生ん時、松屋町でバイトしてましてん(事実)」
仕入れ値まで知ってるで感を目一杯出して、ちょっとびびらしてみる。(実際は知らない)
おっちゃんは、さらに電卓をたたいて見せる。私まだ不満。
「鯉のぼりも買おうと思てんねんけど」
「ほな、もうこれでいいですわ」
ふ~ん、結構ひいてくれるやん。
でも、ここでOKを出してはいけない!
「他の店回ってきます。ご縁があったら、また戻ってきます。待っててね」と言って、一度店を出る。
松屋町筋はほとんど全てが人形屋さん。ずら~と、道路の両端に人形店が軒を連ねる。
最初に見た人形が結構魅力的だったので、8割がた決めてはいたけど、やっぱり他も見なくちゃ。
1時間ほどかけて他の店も回ったけど、やっぱり最初のがいい。モリシゲに戻る。
店に戻ると、おっちゃんは他のお客さんの接客中だったが、私たちの姿を見て、そのお客さんを他の店員さんに任せて、こっちに張り付いてきた。小声で「よっしゃ! 帰ってきた」と言う声が聞こえた。
ここから、またおっちゃんとの激しい攻防戦が始まる。結局1時間ほどああじゃこうじゃとやりとりをして、五月人形・五月人形の横に飾る刺繍の名前入りの旗・鯉のぼり・ベランダ用鯉のぼりスタンドの4点を購入。
住所や名前を書きながら「トータルなんぼですか?」と聞くと、またまた電卓をたたいておっちゃんが「もうこれでよろしいわ」と電卓を見せる。正札合計で20万円ほどの品だったが、電卓は15万円の表示だった。住所を書きながら「もう2,000円ひいて!」
「わかりました」
終了~~!!
戦利品
帰り際にこっちから「なんかつけて」と言っていないのに、1,000円くらいの小物をたくさんつけてくれた。やけくそか?
「ありがとうございました。楽しかったです」ちゃんとお礼を言って、お店に別れを告げた。
車が走り出してから、「そうだ、甲を置く台の上に敷く緑の毛氈も買えばよかった」と思い、お店に「緑の毛氈は売ってはりますか?」と聞いたら、「ある」というので「いただきたいので戻ります」と言った。
店に戻ると、女性店員が店から毛氈を持って出てきたので、「おいくらですか? たくさんまけていただいたので、これは値切りません」と言ったのだが、「いいから、いいから、持って行ってください」と言われ、いただいてしまった。
よっぽど、早く京都に帰ってほしかったようだ。他のお客さんも入っていたので、悪影響を与えてほしくなかったのだろう。
さぁ、それでは早速孫の家に届けてやりましょう。
走り出した車の中で、江田君一言「これお持ち帰りやから、店は発送料金かからんでええやんな」
あ゛~っ!! しまった! そこをつつくの忘れた。
なぜ今言う?! なぜ店でそれを言わんのだ!
家に帰って反省会だ。
いろいろあったけど、いっぱいまけてもらったお礼に、ここで宣伝しときましょう。
ひな人形・五月人形は、松屋町筋「人形のモリシゲ」でお買い求めください。
優しい店員さんと楽しい攻防戦ができますよ。お人形も立派です。
さて、ここからは昨日のお話。
娘の家の洗濯機は、娘婿の亮ちゃんが一人暮らししていた時の乾燥機なしの小さな物。二人暮らしならそれで十分だが、これからはそれでは間に合わない。結婚する時になんの準備もしてあげなかったので、出産祝いに買ってあげることにした。
孫を江田君に任せて、娘と二人でヨドバシへ。
ここでもまた値切る。
せんど説明を聞いて納得して商品を決めてから、最後に「ほんで、これなんぼになんの?」
「私はメーカーの人間なので、ヨドバシの人に聞かないと」
「ヨドバシの人呼んでください」
ヨドバシの人がやって来た。
ここからはこの人が対戦相手。敬意を表して軽く一礼。そして、「まけて!!」
「ポイント有りですか? 無しですか?」
「ポイント有り!」
「少々お待ちください」
電卓を持って戻って来たが、11万円以上の商品なのに電卓は10万5千円。
「少なっ!」
「配送料込みで考えたら、これ価格ドットコムの最安値より安いです。」
今まで大型家電量販店で買い物する時には、他の大型家電量販店の値段との比較はできたが、ネット上の値段は勘弁してほしいと言われ続けてきた。「これはいたしかたないこと。現物を見て納得して買えるのだから、その分は少しは高くなるのは仕方ない」と思っていたのに、ネットの最安値より安いってかぁ?!
即決!!
何がなんでも1円でも安く買いたいわけではない。
私にも「値切りのポリシー」というものがある。
・無茶は言わない
・お店を泣かさない
・納得したら、すぐに引く
今回は、納得したのですぐに引いた。
娘がヨドバシで値切る母の姿に唖然する。
そうか、娘は京都生まれの京都育ち。値切りに関しては何も教えてこなかった。
ほわ~んと癒し系の娘だが、結婚して主婦となり、一児の母になったからには、今後はびしびし教育していかねば。
今度は、あんたが値切りなさいよ。お母さん横で見てるから。がんばれ!娘!!
いや~すごいなあ。私は生粋の京都人やから余り値切りません。
返信削除まあ、PCとか買いに行ったら、よその店のスペックと比べて一応値切ってみます。
というか、スマホで撮った写真見せて、よそはこのスペックでこの値段やけど・・とか言ってみます。
でも、京都の島津人形行って、散々値切ってから、「そしたら、近所の田中人形いってきますわ」とかわよう言いませんわ。きよみさんはすごいわ。尊敬するわ。
大変興味を持ってブログ読みました。でも高いなあ~。まだまだ働かなあかんなあと思いました。
尊敬された。ありがとう。
削除私も島津人形や田中人形に行ったら、そこまではせんよ。
「地域の文化」っちゅうもんがある!
ケース入りの五月人形はもっと安いのなんぼでもあります。今回は、なんせ「初孫」&「江田家にはめずらしい男の子」ということで、気合いが入りました。
鯉のぼりもランクの高いものにしたのでこの値段になりましたが、10万円あればそこそこのが揃います。
娘、嫁に出してもお金なんぼでもいるわ。次は食べ初めに初誕生に七五三にランドセル…、まだまだ行事は続きます。
でも、孫といれば楽しいことばかり。出費は苦になりません。
まだまだがんばって働きましょう!